音源の互換やらBUGについての考察

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私の手持ちの音源+αでちと考えてみましょう。イタリックになっているのは持っていない機種なので伝聞あるいは推測です。


◆イキナリ総論
音源に互換性はありません。なぜならGMやらGSやらXGやらという規格には音質までは定義されてないからです。というわけでまず手持ちのハードウェア音源を羅列しておきます。
メーカー 型番 入手時期
Roland CM−64
SC−55
SC−55mkII
SC−88
SC−88Pro
SC−88STPro
SC−8850
SC−88Pro(2台目)
1990年4月
1992年5月頃?
1993年9月頃?
1994年8月頃?
1996年12月頃?
2002年5月(新古)
2003年1月(中古−オレンジシール付き)
2003年12月(中古)
YAMAHA MU80
MU2000
1996年4月頃?(かなり曖昧)
1999年12月頃?
21世紀になってから入手したモノは記憶がはっきりしている(というかこのサイトに記録が残ってる)。
CM−64の入手時期ははっきり記憶している。
SC−55〜88ProおよびMU2000は発表したMIDIデータの記録より推定(らむ郎名義以外のモノも含む)。
MU80ではMIDIデータを発表してないが96年4月頃発表したMIDIデータに添付したドキュメントに入手した旨の記述がある。同年3月発表分には記述がないことから推定。
◆CM−64とGS
往年の名機CM−64ですがGSとは全く互換性がありません。音源の設定でCM−64マップに設定できますが、基本的な音色が全く違うので殆ど役に立ちません。またオプションのPCMカード(U−110からの物。CM−64用データでは弦楽器の05,管楽器の06,ギターの07が定番だった。)を使用した場合などどうしようもなくなってしまいます。またLA音源部(MT−32から続く)を使い倒したもの(強力なユーザー設定があった)も意味を成しません。

MT−32,CM−32P,CM−32L
この3つと前述CM−64は密接な関係があります。CM−64のPCM音源部だけ切り離したのがCM−32P,LA音源部だけがCM−32Lです。そしてそのCM−32LはMT−32の完全上位互換です。
CM−64=CM−32L+CM−32P
MT−32⊂CM−32L
となります。
DTM時代の幕開けを飾ったMT−32ではありますが、GSでもXGでもGMでもないので現在流通しているMIDIデータは全て演奏できません(^^;。

CM−300とSC−55
カタログスペック上ではほぼ同一の2種ですがどうも音落ちなどの処理が違うそうです。残念ながら持ってないので詳細は確認のしようがないのですが。

CM−300とCM−500
CM−500は前述CM−32LとCM−300が合わさったものです。モードスイッチがついていてLA部を使うか使わないか選べたと記憶してます。これも持ってません。LA部を使わなければCM−300と完全互換のはずです。

◆SC−55とSC−155
そんな機種もありましたね(^^;。SC−155はSC−55にトラックごとのボリュームがついただけです。内部の基板は全く同一らしいので(当時の某パソコンショップの話)この両者は完全互換と言えそうです。

◆SC−55と同mkII
基本的にはmkIIの方が同時発音数が24→28になり音色も増えているだけなのですが、重大な違いがあります。それは代理発音です。存在しないバリエーションの音色を選択した場合(CC#0,MSBバンク)、初代55ではバンクを無視してキャピタルでなるのですがmkIIでは鳴らなくなってしまうのです。もう一つの問題はTVFカットオフです。mkIIは−50〜+50ですが初代は−50〜+16(だったかな?)となっています。しかもこの初代は事実上+方向は殆ど効果がありませんでした。従って初代で聴かれることを前提でカットオフを持ち上げるとmkIIではキンキンした音になってしまうのでした。音色的には殆ど差がありませんでした。

SC−33
そんなのもありましたね(^^;。ちと記憶が曖昧ですが機能的にはSC−55mkIIからバンクを減らしたようなスペックだったと。たしかCM−32L/32PMAPが無かったのかな。同時発音数28ですからmkIIですが音色数は55無印よりも少なかったはずです。位置的にはSC−55mkIIの下位でしょうか。決して初代SC−55の下位ではありません。

◆SC−55系とSC−88
SC−88の55MAPにしておけばSC−55/mkII用のデータも聴ける、ということでしたが実は全く音色が違います。たしかに音が出なくなるということは無いのですが、コダワリ派には許し難い差がありました。88以降マップを切り替えるためCC#32(LSBバンク)が有効になりましたがこのLSB命令は55系に送信しても無視されます。

◆SC−88と同Pro
LSB,MSBの動きがまた異なります。一種の代理発音ですが、88無印に88ProMAP信号などの存在しないLSB,MSBを送るとNo INSTRUMENTの表示の後音色が-----------になり音が出なくなってしまいます。ところが88Proに8850MAP信号などを送るとNo INSTRUMENTの表示はでますがその後の音色は信号を送る以前のままに戻ります。あー、ワケわかんね。

◆SC−88Proと同STPro
内容は操作パネル部が異なるだけの実質同等品のはずですがモタリ方が微妙に違うようです。アタリマエのことですが液晶パネル表示で遊んだデータはその分モタらないですね。それ以外にもモタリは若干STProの方が改善されているようです。

◆SC−88ProとSC−8850
LSB,MSBの動きはSC−88Proに準ずる感じです。55MAP〜88ProMAPに関してはそれほど88Proと大きな差は無いようです(まだちと確認甘いですが)。しかしNRPNなどで音色をいじった場合はかなり変わる感じです。音色にもよりますがたとえば88Proでアタックを落とした物を8850で聴くと思った以上にアタックが落ちてます。効き目が強い感じなのでしょうか。

◆XGとSC−88系
XG系はそんなに使い込んでいないのでよく判らないのですが、88系でのプログラムチェンジの定番であるLSBコントロール付きで送るとMU80では反応しません。データ冒頭の音源リセットは受信していますので結局ピアノになってしまいます。これを避けるにはLSBを送った後のプログラムチェンジを2回送ってやれば回避されます。
しかしMU2000ではそんなことしなくても大丈夫なんだよなぁ....(^^;.

◆VSCと88Pro
VSCは値段の割に良くできてるとは思うんですが、残念なことにワシが多用するCM−32PMAPとかがサポートされていません。ここにあるものでは「私、沙絵のテーマ」のトランペットがそれなのですが(微妙なコダワリ)、VSCだとピアノの音になってしまいます。またNRPNなどで音色をいじったときもかなり印象が異なってしまいます。

◆ローランドとヤマハ
ローランドのSDシリーズはまだ持っていないのですが、SCシリーズはひとしきり持ってます。SC−8850は発売直後にバグ騒ぎがありましたね。そのため初期ロットのROMを交換したようです。でも根本的なものは直ってないんですね。とにかくモタるんですが、モタリはSC−88Pro/SC−88でも発生します。どうもローランドの音源は大量にデータを送ると反応が鈍くなるようですね。モタらないまでも歯切れやヌケが悪くなったりするようです。

これに対してヤマハの音源はモタるという話は全く聞かないです。単純にユーザー数が少ないだけか(^^;、とも思ったんですが、私自身の経験でもそんな感じです。少なくともうちのMU80やMU2000ではかなり無謀に音をねじ込んでもなかなかモタりません。なんなんですかね。

SC−8850のバグ騒ぎとさっき書きましたがSC−88のときも似たようなことがありましたね。私のSC−88は初期ロットですが、時折轟音を発します。これは結構有名なトラブルでローランドに送りつけると中の石をこっそり交換するという噂です(ホントか?!)。私自身はこのバグ入りが可愛くてそのまんまなんですが。SC−88VLという廉価機種がありましたがこれはバグフィクスだともっぱらの噂です。同じようにSC−8850もバグフィクス版が出るかと思っていたらSC−8820というなんとも中途半端な機種を出してきました。なんとなくローランドは逃げたのか、とも思います。これに対しヤマハはバグ騒ぎなんて出しません。最初から完成度高いです。うーむ。

音色的にはどうでしょう。これは使い慣れた感触があるのでやっぱし現状ではローランドを選んでしまいます。MU80を初めて使ったとき、私が多用するクラシック系の楽器の大半が今一つの印象だったのをそのまま引きずっている感じです。MU100/128(私は持っていない)になって弦が改善されMU1000/2000で金管が改善されたという話ですがたしかにMU80に較べるとMU2000は良くなっているとは思います。相変わらずむごいのはファゴットを除く木管類でしょうか。ファゴットに関してはMU80の頃から好きだったんですがね。

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