銘盤迷盤冥盤


第2回 涅槃交響曲(黛敏郎)
黛敏郎の代表作といっていいでしょう。”涅槃”とは”吹き消した状態”のことで、煩悩の火が消えた状態、つまり悟りの境地ということ。だけど一般的なイメージは釈尊入滅ですね。まぁ仏教用語ですな。
初演は1958年4月2日の「第3回・3人の会」で行われました(第一楽章のみ前年11月に演奏されてます)。この曲は「カンパノロジー」といわれる音響が有名ですが、これは梵鐘の「ごぉおぉおぉん」という音を音響学的に分析しそれをオーケストレーションしたというなんとも妙な発想です(爆)。
「カンパノロジー」以上に気持ちの悪い?のが読経。二種の経文および天台聲明のメロディが聴かれます。経文の一つは明らかに「摩訶般若波羅蜜」と歌ってますね。隣近所に聞こえるくらいの大音響で鑑賞すれば「なんか変な宗教に入ってるんじゃない?」と思われる事必至(笑)。
 MIDIにしてみたいけどトゥーランガリーラほどではないものの楽譜が高いし(笑)、既に@niftyのFMIDICLAにやってる人がいるし(FMIDICLAってどういうところだよ?!)。この曲のCDですが3枚しか出てきませんでした。もう1〜2枚持ってた気がするんですが、それでも多い?

ウィルヘルム・シュヒター指揮、NHK交響楽団(東芝EMI TOCE−9430)
1959年録音(日付不明)。シュヒターは当時のN響常任指揮者で、これ就任直後の録音だそうです。さすがに古いですが(なんとモノラル録音をステレオ化してある)とても熱い演奏。
外山雄三指揮、NHK交響楽団(フィリップス 30LDー1016)
1978年2月4日のライブ録音。カップリングは黛のもう一つの仏教ネタ「曼荼羅交響曲」(こっちは山田一雄指揮)なのでそういう意味ではお得。でもあんまり熱いモノを感じないのです。
岩城宏之指揮、東京都交響楽団(DENON COCO−78839)
1995年7月24〜27日録音。作曲家の監修つきで、他の2枚より圧倒的に録音が良いです(新しいから当然か)。演奏も外山盤よりは熱いので聴いてみたいのならこれをお勧めかな。だけどカップリングがホンモノの聲明(薬師悔過)なんでそういうのが苦手な人にはちと....
この録音から2年ほど後に黛にお迎えが来ました。

なんか異様に濃ゆいのが続いたな。大丈夫か?(^^;


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